四十六年前に離れた大分県杵築から中学同窓会の案内が届いた。
前日から私はもう会場近くの宿に入っていた。
懐かしさを求めてそこら中、街の中を捜し歩いた。
変貌していた。
商店街には人影は無かった。
シーンとして時折通り過ぎる車がもの珍しそうに私を中から眺めていく。
昭和三十二年、街は活気に満ち溢れていた。
子供や大人や老人。入り混じって、商店街には人がいっぱい歩いていたような気がする。
駄菓子屋、ちょうちん屋、傘屋に下駄屋。縄屋、糸屋、呉服屋に古本屋。
ハハハ、そりゃそうだ。そんな種類の店は最早ある筈も無い。
日本中どこに行ったってある分けがない。
でも会ってほしかったなどと勝手に思う。
どのようにして無くなったか、そのドラマを知りたいとも思った。
翌日、同窓会会場に赴く。
ある不安を持って中に入った。
やっぱり!
誰もが変貌していた。最早誰が誰だか分からない。
胸に着けられたネームカードがかすかに思い出を手繰り寄せる。
髪がズボッとなくなっている奴、ブカブカと思いっきり幸せ太りする奴。
デデーンと土地の名士になっている奴。
はじめ、誰だか分からず敬語でつじつまを合わせて話しているうちに、やっと、ああ、あいつだったのかと繋がって、その瞬間から方言に大変貌する。
私は興味をもたれた一人だったようだ。
「欽ちゃん、お前欽ちゃんかよー。変わったのぉー。若ぇのぉー。昔ん、痩せこけち、地味じゃった欽ちゃんとは思えんのぉー。そん髪、ほんとん髪かい?いいのぉー。若ぇのー。」
私は腹の中でほくそ笑んでいた。
「ハハハ、髪は物を言うのぉ。美容師でよかった。髪のセット力有る無しで、昔を消し去る大変貌を遂げることもできるんだな。」
とほくそ笑んだ。
自由が丘店 角谷 晃